交渉の戦略スキル

交渉の戦略スキル
ハーバード・ビジネス・レビュー編
発行元/ダイヤモンド社
組織内の対立の解消、顧客との交渉…。ビジネスにはつきものの「交渉」をいかに行えばよいのか、対立から創造的な解決策を見出すための考え方と手法を示す。
本書は、ハーバード・ビジネス・スクールの機関誌、『HarvardBusinessReview』に掲載された論文のうち、「交渉」をテーマにしたものを集めたものである。

組織内で生じる「対立」を処理する際の基本的前提は、「対立を本質的に"良い""悪い"と見なさない」「対立に対処する唯一"正しい"方法はない」ということである。

その上で、マネジャーは次のような問いかけを自身に行う。
・当事者間の対立はどういう性質のものか?
・対立の根底にある要因は何か?
・その対立的な人間閲系はどの段階にあるか?
・当事者は同じ情報を共有しているか?
・当事者は共通の情報なのに異なった理解をしていないか?
・当事者は自分の立場、役割に影響されていないか?
こうして意見の不一致の原因を見つけることで、どのような処理を行えばよいかが見えてくる。対立解消のためのアプローチとしては、「対立の回避」「対立の封じ込め」「対立の明確化」「対立の創造的解決」の4つがある。

自分の利益を貧欲に追求する"手強い顧客"と互角に渡り合うには、次の8つの基本的戦略を実行するとよい。
①切り札の数を増やす
②相手の言い分に耳を傾ける
③交渉内容を整理して覚えておく
④顧客のニーズを理解し、肯定する
⑤双方に有効なことを確認してから前に進める
⑥厄介な問題は最後に回す
⑦初めは強気、・そして徐々に譲歩する
⑧感情を揺さぶるような罠を回避する