戦略「脳」を鍛える

戦略「脳」を鍛える
著者:御立尚資
発行:東洋経済新報社

戦略論をいくら学んでも、勝てるとは限らない。勝てる戦略立案のためには、定石を知った上で、プラスアルファの能力「インサイト」を身につける必要がある。戦略・優位性構築のエキスパート集団であるボストン・コンサルティング・グループ流の「インサイト」の構成要素を示し、それを身につけるノウハウ、戦略「脳」の鍛え方を初めて明らかにする。
インサイトとは、「勝てる戦略の構築に必要な頭の使い方、ならびにその結果として得られるユニークな視座」のことである。それは、仮説の発想とその検証を素早く行う「スピード」と、ユニークなモノの見方をする「レンズ」という要素から成り立っている。
戦略思考の「スピード」は、過去の戦略パターンを覚えて使いこなす「パターン認識」。ビジュアル的に捉えてアイデアを考え出す「グラフ発想」。右脳と左脳で戦略の仮説と検証を繰り返す「シャドウボクシング」の3要素で構成される。

戦略論をパターン認識しておけば、必要な時にパターンを組み合わせることで、論理をゼロから積み上げることなしに、新しい戦略をスピーディーに構想することができる。
ユニークな視座を持つための「レンズ」には、ユニークなアイデアを生み出す武器となる。
視野を従来の事業範囲の外側に広げて見る「拡散レンズ」、ユーザー動向・特性を狭く、深く見る「フォーカスレンズ」。発想を飛躍させて見る「ヒネリレンズ」の3種類がある。

実際の戦略を立てる際は、インサイトを構成する「スピードの3要素」と「レンズの3要素」を組み合わせたり、同時に使ったりする。これらを自分で使う体験を積み重ねていくことが、戦略立案能力を向上させる決め手である。