続・年収300万円時代を生き抜く経済学

続・年収300万円時代を生き抜く経済学
著者:森永卓郎
発行:光文社


ベストセラーとなった前作が、小泉構造改革のカラクリを明かす内容だったのに対し、本書は「実践編」と銘打たれている。その名の通り、年収300万円時代を生き抜くための生活防衛の具体的ノウハウや、発想を転換して独自のライフスタイルを築いた人々の実例などを紹介し、心豊かな生活のすすめを説く。

2003年9月の自民党総裁選で小泉首相が圧勝した背景には、5月以降の景気の好転があった。しかし、これは構造改革の
成果などではなく、一時的な量的金融緩和によるものだ。
小泉構造改革の本質は「弱肉強食社会」を作ることであり、庶民の負担が増える一方、金持ちや勝ち組企業への優遇税制などが導入されている。
年収300万円時代の到来は避けられない。今後は限られた収入で幸福な生活を送るための知恵が必要だ。住宅ローン、保険、家賃、教育費、医療費などの生活コストは、発想の転換で削減できる。
収入面ではインターネットの活用、共働きなどを考慮する。
資産運用はデフレが続く限り、無理にやらなくてもよい。
生活防衛のためには、自分が本当に楽しめるものを作り、無意味なプライドを捨てることがカギとなる。
田舎暮らし、新幹線通勤、老後の共同生活など、独自のライフスタイルを選ぶことで、ゆとりのある生活を実現している人々もいる。彼らに共通しているのは、お互いに支え合う「仲間」を持っていることだ。
年収300万円時代を安心して生きるためには、リスク管理が欠かせない。そのコツは、リスクの低いものを選ぶことと、リスクを分散させることである。