経営は牛のよだれ

「経営は牛のよだれ」
西岡仁克/著
長崎出版
1,575円(税込価格)

変わったタイトルの本なのだが、本署は真の経営者とはなにか、会社を永続させるにはどうするか、小さな企業の一流化をどうするか、といった内容のことを書いているのだ。
著者は、経営者は社長になれるが、社長は必ずしも経営者になれるとは限らないといっているのだ。経営者に必要な資質とは、なんでしょうか?
この本は、起業して35年間にわたって会社を経営してきた西岡氏が会社の利益を上げて、長く存続させる経営方法を語っているのだ。
内容は経営の究極の目的は「組織の永久安定と継続発展」。役割成果主義。情報の共有化。最終的に企業は人や。銀行とのつき合い方。社長の一番の仕事は後継者を育てることなどだ。
経営とは、あたかも「牛のよだれ」のように細く長く、途切れることなく永続させることに意義があるというのだ。
西岡氏は経営の原点は、生物学者今西博士の「棲み分け理論」にあるというのだ。ダーウィンの「弱肉強食」的進化論に真っ向から対立する理論で、共存と共生の視点に立脚した理論だというのです。西岡氏は経営を「スコピオン経営」と名付けているというのだ。
なんでもさそりは、岩間に潜んで一滴の水さえあれば砂漠で生き長らえ、大型動物から身を守るための猛毒を持っているというのです。中小企業ならではのオンリーワン企業を目指し、他社との差別化をはかって永続できる経営が、スコピオン経営だというのです。西岡氏の会社は「おもしろおかしく、愉快に楽しく」働くことをモットーにしてきて、5年を節目に経営計画を練ってきたというのだ。経営計画の発表会は、全ての社員を集めて、一流ホテルで行うというのです。