バカな人事!

「バカな人事!」
中村寿伸/著
あさ出版
1,470円(税込価格)

人事というのは社員のやる気を左右するものなのだが、あの会社があの人事制度を導入しているから、うちの会社もあれを導入すればよくなるかもしれないという安易な考え方を、多くの会社は持っているというではないか。
会社の実情にマッチしていない人事が横行してしまっているというのだ。
なんと人事は戦略で政策でサクセスストーリーなんだというのです。
働いている社員をわくわくさせるようなエンターテインメントが必要だというのです。
この本の内容は、日本の会社の「人事」はここが間違っている。「公平な評価」が不公平を生み出している。社員として知っておかなければならないこと。「人事」の本当の目的とは何か。「人事」で会社のこれからが変わるというような内容だ。
著者は、すべての会社は成果主義でなければならないといっているのだが、成果主義に批判的な人事担当者からは、「成果主義を導入したら社員が怠慢になった」「目標に関係のない仕事に非協力的になった」というのだ。日本人には成果主義は合わないといって年功序列に戻ってしまうというのだ。
なぜかというと、成果主義の導入の仕方が間違っていたからだというのだ。成果主義の本質を理解して、会社の実情を反映したものにしなければ、成果を上げることはできないというのだ。
成果主義の正しい導入の仕方の開設本です。人事制度のさまざまな問題点について指摘しています。目標設定の仕方や評価の仕方、賞与の位置づけ、勝てる職務基準書の書き方、矛盾のない等級の評価の仕方、多面評価の意味などです。
公平な評価とは何かは、人事が失敗する大きな要因のひとつだというのです。
例えば、3等級のAレベルが2人いたら、等級は同じなのだから、目標数字も同じにするのが公平だと思ってしまうからだ。一見、公平のように見えているのだが本当は公平ではないというのだ。
画一的な基準を設けるのではなく個々の社員の事業への貢献度を、社員一人一人によって異なる立場や事情を考慮して評価するのが、正しい公平な評価のあり方だというのだ。
中村寿伸氏は、株式会社日本経営システム研究所代表取締役社長で、企業の事業戦略と経営計画を実現する人事・組織戦略の専門家で、中堅中小企業から、上場企業まで業種を問わず500社以上の企業をコンサルティングをしているというのだ。