セレンディピティ

「セレンディピティ」
宮永博史/著
祥伝社
1,470円(税込価格)
成功者の絶対の法則セレンディピティは「偶然のひらめき」からだというのだ。なんでも成功した人に話を聞くと、偶然見つけたとか、ふと閃いたという答えをする人がいるのだが、それには、それなりの土台があるのです。この本の内容は、現代の成功者の行動や考えから、幸運を引き寄せる「能力」について書かれているのです。例えば「セレンディピティ」って何だろう?。誰にも訪れる「セレンディピティ」。「無関係なもの」を関連づけてみる。「素人発想」プラス「玄人実行」が有効。「想定外」を考えておくことの重要性。「偶然のひらめき」が生まれる瞬間。「論理的思考」とセレンディピティ。セレンディピティが訪れる組織などです。
それでは「セレンディピティ」とは、何か。偶然をとらえて幸運に変える力ということだそうです。世の中の成功している人は、どのようにして、偶然から幸運を導き出して、思いつきを優れたひらめきに変えているのか。例えば、タンパク質のような巨大な分子の質量を測定する方法を開発して、ノーベル賞を受賞した田中耕一さんは、来る日も来る日も困難な実験を続けていたある日、間違ってアセトンの代わりに、グリセリンを混ぜてしまったというのです。彼はそれを捨てるのがもったいなくて、失敗とわかっていた試料を使って、「むしろ普段よりも注意深く」観測をおこなったというのです。その実験結果が、ノーベル賞につながったというのですから、まさにセレンディピティとしかいいようがありません。
もし、試料を間違えなかったら、間違って混ぜた試料を捨ててしまっていたら。もし、グリセリンが乾く前に観測を始めていなかったら。もし、観測データから、ノイズとシグナルを読み取れなかったら。一連の偶然が重ならなかったら、ノーベル賞はなかったかもしれないというのだ。
セレンディピティに恵まれた成功者たちのエピソードが登場します。彼らの超人的な努力を読んでいるうちに、何かしら大きな励ましをもらえるのです。