男の子を伸ばす母親は、ここが違う!

「男の子を伸ばす母親は、ここが違う!」
松永暢史/著
扶桑社
出版年月:2006年4月
1,260円(税込価格)

男の子の力はもっと伸びるのだ。母親にとって、異性である男の子を育てるのは難しいものだというのだ。一人っ子の場合の難しさは、周囲からもなかなか理解してもらえないのだ。男の価値は「バカ」か「利口」かではなく「やれる」か「やれない」かで決まるといわれているのだ。かわいい自分の息子を価値ある男子へと育てる方法があるのだ。
例えば、学ばせる。しつける。はぐくむ。いい大学へ入るためには、一日でも早く受験勉強をというのが最近の常識のなっているようなのだが、幼児の教育に熱心な母親は、昔とは比べものにならないくらい多いといわれているのだ。
著者の松永氏は、そのことに警鐘を鳴らしているのだ。幼児教室やスイミングなどの習い事は、遊びのようなものだし本人も楽しんでいるのだからと、親は安心してしまっているというのだ。それはすべて大人が決めたルールに従ったものであり、予定調和的なものだということに、注目しなくてはならないといっているのだ。幼児教室では「突然のアクシデント」はほとんど起らないというのだ。公園で遊んでいると、突然隣にやってきた子が、お気に入りのおもちゃを取り上げてしまうこともあるのだ。一生懸命集めた葉っぱが、池に落ちて流れてしまうこともある。ベンチにおいてあったおやつを、カラスに取られることもある。
自然の中で遊んでいると、突然のアクシデントが起るが、友だちとカラダを使って遊ぶ中で、こんな場合はこうすればうまくいく、自分1人で気づかなかった面白さがある、他人とうまくやっていけるかなどを、男の子は自ら発見でき、カラダの中に、遊びを通して得た経験が積み上げられてゆくのだというのだ。
例えば、電車が好きで駅名をたくさん覚えていた子は、化学記号を暗記するのが得意だというのだ。友達と喧嘩しながら遊んだ子は、国語の文章を読む時、登場人物の心の動きに気づくようになるというのだ。
だから男の子はよく遊んでいればいるほど、成功しやすいというのだ。
男の子のチョロチョロする能力のことを、著者は「オチンチン力」と呼んでいるのだ。オチンチン力とは、余計なことをする力、とんでもないことを思いつく力のことだそうだ。オチンチン力こそ、男の自主性、自立性、創造性、知性、行動力の源なのだというのだ。オチンチン力を伸ばす教育が、男の子を伸ばすのだというのだ。
だから本格的な勉強は14歳以降で十分だというのだ。それまでは、思い切り遊ばせろといっているのだ。ただし、まったく勉強しなくてもいいというわけではない。勉強の基礎となる、計算力、漢字力、国語力は、しっかりと押さえておくべきだというのだ。
もっとも重要な国語力は、漢字の書き取りができるだけでは不十分だというではないか。漢字を文章の中のどんな場面で使うのか、言葉の適切な使い方まで判断できるようにならなければ、真の国語力とはいえないというではないか。国語力を身につけるのに効果がある方法は、第一に、文章を書かせることだというのだ。作文は文章を理解する力が伸びるだけでなく、自分で文章の語尾を選択し、選択肢の問題に強くなるというのだ。
国語力を伸ばす方法は、音読だというのだ。文章を声に出して読むことで、文章がどのようにつくられているかを、効率よく頭に入れることができるというのだ。
真の頭のよさの裏付けとなる国語力を中心に、学ばせることの本質を教えてくれているのだ。
著者松永暢史氏は、教育環境コンサルタントで、受験のプロだというのだ。音読法、作文法、サイコロ学習法など、様々な学習メソッドを開発しているというのだ。