社長のルール

「社長のルール」
石野誠一/著
まこといちオフィス
出版年月:2007年3月
1,365円(税込価格)

社長業としてのルールがわかれば、仕事がおもしろいほどこなせるというのだ。社長の仕事というのは、きりがない気がするのだが、いろいろあり過ぎて、何から手をつけたらいいということがあります。あたりまえのことなのだが、なかなかできない社長の仕事をルール化して、わかりやすくしているのだ。
例えば、小さな会社の社長が意外と見逃しがちな社長の仕事のルールとは、経営計画書が好きな社長の経営下手とは、社長のお金対策のルールとは、人で伸びる・人で衰える社長のルールとは、社長の専科税務対策のルールとは、など。
石野氏によると、社長の仕事というのは、会社の規模にもよるが、昇給や賞与を決めること、銀行との付き合い、税務対策、会社の将来設計、10年に一度の人員の整理という5つがあります。
5つの社長業の要諦を中心に、著者が自身の社長人生から会得してきた78の「社長のルール」を解説しています。
「社長のルール」小さきことのありがたきを知る。会社として大事なことは、「社会から必要とされているか」「社会からの要請や期待に応えられているか」ということであって、自分の欲望で会社を大きくするのは二の次であるべきだというのだ。
不用意に会社を大きくすると、いつか思い知らされることになるというのだ。小さな会社は「続くことが基本」だというではないか。
「社長のルール」「お金を借りること」を怖れるな。小さな会社でも意欲的になれば、借金は必要になるというのだ。「こんな高利息を払って、返済し続けることができるのか」と不安になるのは分かるのだが、借入金を恐れてはなりません。大切なのは、その借入金を運用し、回転率を上げ、資金繰りをまわしてゆくことだというのだ。会社は赤字ではつぶれないのです。
「社長のルール」「人相」のいい社員を集めて「集団運」をよくしよう。人の心には仏もいれば鬼もいて、接する相手によって、そのどちらかが引き出されるというのだ。社員の性格を社内で直せると思うのは思い上がりだというではないか。「鬼」=心の不十分な人を採用すると、後になればなるほどやっかいだというのだ。人の心は顔に必ず出ますから、どうせなら人相のいい人を集めましょうというのだ。
社長には、自分の会社を「仏」の社員でいっぱいにする権限があります。社長は、社員はもちろん、パートやバイトの面接にも立ち会えというのだ。
「社長のルール」辞めていく社員さんを冷たく追い出すな。本人に落ち度がある場合であれ、本人の自己都合による場合であれ、送別の時は注意を払えというのだ。退職金、有給休暇、送別会など、送別の費用をケチらないことで、辞めていく社員の後ろ姿を、残る社員やパートはしっかり見ているからです。辞める人に優しい対応をしている会社だったら、社員にとっては暖かで安心した気持ちで働くからだというのだ。
石野誠一氏は、約7年のサラリーマン生活ののちに起業して、有限会社の社長になった人なのです。その後4社の有限会社を立ち上げ、現在はそれぞれの会社を軌道にのせて分社を進めているというではないか。
社長になる人にも役に立ちます。