失敗する人の法則

「失敗する人の法則」
樽井良和/著
PHP研究所
出版年月:2008年2月
1,000円(税込価格)

失敗する人の行動には、あるパターンがあるというのだ。なんと世の中には要領が良くスイスイ成功への道を歩んでいる人もいれば、一生懸命に行動しているのに、自分でもわからないうちに失敗してしまう人もいる。どこがいけなくて失敗しているのか、これだけはやってはいけない、失敗の「ツボ」を教えてくれている。
例えば、目標も計画もない人。潜在的に望んでないことを目標に設定する人。目標や夢がコロコロ変わって、右往左往する人。「目標>才能」OR「目標<才能」な人。苦労、努力、頑張ること自体が目標になっている人。夢を実現するために遠まわりする人。自分の不得手なこと、嫌いなことを稼業にする人。小さな仕事や問題を大きくする人。自分よりバカしか雇わない人。ひとりで全部やって、任せることができない人などの調子で、全部で42項目にわたって、これはしないほうがいいという失敗のツボがわかりやすく、しばしば厳しく、そして鋭くポイントを突いて解説してくれています。
著者は、失敗する人には、ある一定の思考や行動のパターンがあるというのです。失敗する人の例を読むほど、つい苦笑いしてしまうほど、思い当たることがあるのだ。客観的に整理されているものを読むとことで、どこに問題があって失敗してしまうのかが、明確にわかってきます。
潜在的に望んでいないことを目標に設定する人は、本人は望んでもいないし、向いてもいないのに、成績がよくて、両親からいわれたというだけで、医者になることを目標にしてしまう人だとか。本当は文学的な才能や商才があるのに、引き返せなくなり、結果を残すことなくドボンしてしまう人。
やたら有名になりたがる人は、社長でありながら本を書いたり、CDを出したり、経営にはワンマンな人。
ブランドが上がれば効果絶大な時代と無理矢理目立とうとして経営がおろそかになったりしてしまったり。苦手の分野を克服しようとする人は苦手なもの、下手のものが一般的なレベルになったところで、仕事や社会的に貢献はしない。選択と集中で、自分の秀でた得意な分野に目を向けて、得意を超得意にしてスペシャリストになるだけでプロフェッショナルとして貢献し、収益をもたらすことになるのだというではないか。
謙虚に引っ込みすぎる人は何か確信を持っている意見やヴィジョンがあるなら、公然と意見すべきだ。自分の出世や名誉ばかりか、世のため人のためにもなりません。自分の専門分野や確信を持っていることがあれば、堂々と意見を出すのだ。
この本に書かれているのは、失敗の話だけではない。成功に向けて軌道修正するためのセオリーも散りばめてあるので参考になる。