商いの原点

商いの原点

◇童門冬二/著  
◇青春出版社 
◇出版年月:2006年3月 
◇ISBN:4-413-03577-1 
◇1,365円(税込価格)

商売人たちの、目に見えない努力が基礎に発展してきたものです。
利を目先の利益に走るべからず

一 重要なのは決断力と人間愛
二 “お客”と“地域”に奉仕せよ
三 義を先にして、利を後にする
四 上位の者ほど、身を慎むべし
五 目先の利益に走るべからず
六 ご先祖様を敬うべし
七 豪快に攻め、細心に守る
八 誇りと道徳なくして成功なし

著書を読んでいると、時代は違っていても、商売をする上での大事なことは、あまり変わっていないという気づきます。こんなに立派なデパートも、最初は一人の商売に才覚のある若者が、行商から始めたというのですから驚きますよね。一人の人間にすべてを任せてしまうのではなく、何人かのチームで仕事をしていき、良い仕事ができているかお互いにチェックしたり競争したりしながら、モチベーションをあげていくという方法で家康は政権維持をしていたのだそうです。昔から商売は一代目は真面目に働き財を築き、二代目は一代目を見て育っているため、店を維持しようと頑張りますが、生まれたときから裕福だった三代目あたりから、ご主人があまり働かなくなり、遊興にふけって店を潰してしまうというようなことも多かったようです。商売に向かない人には跡をつがせないで、商売の才覚のある人を婿にとるケースもあったそうです。番頭さんがつくった何カ条にもわたる、ご主人や従業員に対する理念のようなものは、どれも的を射ていて読み応えがありました。この時代から、真剣に商売に励み、家訓をつくって存在が経済成長がんだということを身にしみて感じました。1冊から真似のできない、原点を勉強できるので、興味のある方は夜長に読んでみてくださいね。