斎藤孝の実践!日本語ドリル

「斎藤孝の実践!日本語ドリル」

 ◇斎藤孝/著 
 ◇宝島社
 ◇1,048円(本体価格)


貴方の日本語は大丈夫?真の「日本語力」というもの



「ドリル」というものを覚えていらっしゃられますか?
採掘機械におけるドリルではありません、小学校時代に何度も宿題で出た「算数ドリル」や「国語ドリル」のドリルです。
この『実践!日本語ドリル』とはまさに、あの頃行なったドリル勉強を今一度今度はその必要性に頷きながら行なって行くことで、自分の日本語能力を再度見直すことが出来る本になっています。
章から終章の六編で綴られたこの本では、各章ごとに決った日本語力の小問題とその回答並びにその必要性が述べられています。
第一章の問題を抜粋してみましょう。


【問題】 主語や述語、修飾語を並べ換えて同じ意味の文章を作ってみましょう。
その絵は彼が莫大な金を出して買ったものだが、偽者だった。


では、第五章からもう一つ、問題を抜粋してみます。
文例を、子どもに話すように、易しい言葉に置き換えてみましょう。
章までくると問題のレベルも高くなっており、中々一筋縄ではいかない問題もちらほらと見受けられます。

先に抜粋した第一章の問題は、基本構文力の問題です。
主語と述語の「ねじれ」を素早く理解し、解すのが課題です。

後に抜粋した第五章の問題は、モードチェンジ力の問題です。
章の問題を解き明かす時の、まるで「国語の小テスト」を彷彿させる本書は、中々興味深く且つ面白く思われることでしょう。
あとがきで、筆者齋藤孝氏が自信を持って「いま、この本を作り終えてみて私が思うのは、これは売れていい本だということです。」と述べておられるのが納得の一冊です。