「数字に弱いあなたの驚くほど危険な生活
/病院や裁判で統計にだまされないために」
◇ケルト・ギーゲレンツァー/著 吉田 利子/訳
◇早川書房
◇1.900円(本体)
身近に毎日耳にするものとして「降水確率」があります。
一定の地域に、100レベルのうち、強さで雨が降る。
雨が降りつづける。
降水確率とは、天気図のもと、気温、風、雨などの気象現象が起きた場合、確率で雨が降るか降らないかを示したものです。
降水確率なら、同じ天気のもと、100回中40回は雨が降るという事です。
「統計」ですが意外に私達は場合が多いとこの著書では語っています。
統計や確率を用いる事で大げさに表現する事もできれば、誤解を招くように表現する事も簡単です。
身の回りの情報が発信者に都合よく歪められているか、損害を被り得るかを明かすと誰もが理解できる形でリスクとコストを伝える方法を提案しています。
この中で繰り返し出てくる言葉に「不確実性」という言葉があります。
不確実性が実験的観察をもとに量的に表現されれば「リスク」と呼ばれるようになります。
この頻度の表現の方法には「相対頻度」「絶対頻度」「自然頻度」があります。
これらがどういう意味合いの数字なのかを解る事で、実際はどうなのか、自分にはどう当てはまるのかという事を判断する材料となるとこの著書では語っています。
不確実性をもとにリスクを推計するツールの使い方を理解する事で、推測にまつわる不確実性を理解できることや、リスクの推計を邪魔しようとして勢力が事に気がつく事ができるわけです。
魔力があります。
身体にいいような気持になります。
人々が、健全な統計的思考を「考える習慣」にするのは容易ではないと言う。
眼目は、数字について考えるのは難しいとあきらめる必要はない、ということだ。
その難しさは克服できるからである。