なぜ、できる人から辞めていくのか?

「なぜ、できる人から辞めていくのか?」
小笹芳央/著
大和書房
1,470円

一緒にビジネスをしている部下から仕事を辞めるといわれたらどうしてとなりますね。
それが部下は人一倍仕事が出来る人なのです。彼に抜けられたらグループの年間目標は到底達成出来ないではないか。正直困りました。
彼に取っては、今の会社は大丈夫だろうかとか。尊敬出来る先輩が居ないとか。今の仕事にやりがいを感じられないとか。仕事を評価してくれないとか。
会社をやめるという部下というは、前々からこんな事を考えていたのかもしれないのだ。
この様な会社や仕事に対する不平不満が起きてしまった背景というのは、上司に対する不信感や、仕事に対する将来性、会社対する失望感が有るからなんです。
会社組織というのは人間と人間との連携でできあがっているのです。企業を存続させて行く為には、グループを形成している仲間の不満を取り除いて遣らなければ、企業の将来も危ぶまれてしまうからなんです。仕事仲間の結びつきが良くなかったのは、なんと言っても仕事が成果主義を取り入れた事で、社員同士の連携よりも個人的な成果を上げる事の方に優先順位をおいていたからなのです。
成果報酬というのは、ビジネスマンのモチベーションを高める為に導入されたのですが、却って組織力を寸断させてしまう結果になってしまったのです。
これまでの成果報酬に替わって大切なポイントは「意味報酬」だというのです。意味報酬というのは、仲間の役に立っている、喜ばれている、成長しているということを実感することだというのです。これからの企業に取って重要なことは、上司や部下が旨く意味報酬を提供して行くことだというのです。意味報酬というのは威力がありますので、仲間が会社を辞めてしまうという所迄は行かないと言うのです。
本の内容は会社に所属する理由の変化。転職を決意する瞬間。仕事の意義を創り出す。部下が変わる上司のアクション。働く喜びは共同体の中に生まれる。です。
日頃のビジネスの上で、仲間が意味について意義を感じているかどうかが問題だというのです。