「いい人」になるな、「できる人」になれ
◇樋口裕一/著
◇マガジンハウス
◇出版年月:2006年4月
◇ISBN:4-8387-1657-5
どんなイメージかというと、善良な人なのだけど正直すぎて損をしてしまうという感じです。人付き合いを上手にするためには「いい人」なだけでは何か足りないような気がしませんか?この本では、「いい人」に終わらず「できる人」になるためのテクニックを紹介しています。第三章 「したたか戦術」で、さらに「できる人」を目指す著者の樋口裕一氏にとっての「いい人」のイメージは、善良なのはいいけれど、それが周囲に不快な思いをさせるという、あまりない感じなのです。心を偽り、嫌なことを嫌と言えず、心に溜め込んでいってしまうところがあるような気がします。心に正直になってみて、たとえそれが嫌な感情だったとしても、目をそむけないで、でも嫌悪感を持つ必要もないと、著者は考えているのではないかと感じました。小論文の神様と呼ばれて、出版した本は売れに売れているので、挫折など無縁かと思っていたのですが、これまで様々な挫折がそれを隠すことなく飾らない言葉で語られています。書き方についての本を数多く出版されている著者の樋口氏が、人付き合いについての本を書いたのには訳がようです。頑張り方ではなく、ぶれない言動や行動で「できる人」をしのげるくらいの力をつけて欲しいという願いがあるからだと思います。
◇1,365円(税込価格)