米国製エリートは本当にすごいのか?

「米国製エリートは本当にすごいのか?」
著者:佐々木 紀彦
発行:東洋経済新報社

著者の佐々木紀彦氏自身の留学を体験したことをもとに執筆されたものです。
1、アメリカの大学生の生活:大学生の個性は、日本人の学生とあまり変わらないのですが、アメリカの学生の知識に対するインプットの量がすごく、大量の資料や本を読むことを強制されているというので、時間の使い方が上手く、課題を上手にこなしていて、グループワークでも人間関係の調整や協力体制を構築するのが上手いというのです。
就職も日本の学生と同じで安定と高級職を求め、学歴は重要視されていて、博士号を評価し、就職先で人生を過ごすつもりはなく、キャリアパスは明快で流動的な就活を行い、年齢による差別がなく、再就職はしやすい環境なのです。
2、アメリカの政治エリートについて:経済エリートが尊敬され、国の実情は歴史をみるのが有効な手段としていて、歴史に精通していて、現在を知るための分析の材料として、未来予測しているのです。
アメリカの保守派、リベラル派については、保守派にとって原爆投下を反省することは、強いアメリカを否定することになり容認できない。リベラル派は弱者に沿う考え方で韓国の慰安婦問題でも、日本を非難する立場になっています。日本の悪いところは、論理立った説明や反論ができていないことだというのです。日本の立場を明らかにし、反省すべきは反省した上で、事実を述べる必要があるというのです。
3、国際情勢について:アメリカは恵まれた国で周囲に敵対する国がなく、資源も豊富で国土も広く、人口も多く、超大国で、内向きであり、日本以上の島国根性を持っていて、日本はアメリカの軍事力のお陰で経済発展ができたが、日本のエリートは法学部出身が多く経済に疎く、官庁の利益にこだわっている視野の狭さは問題があるというのです。
アメリカはピークを過ぎたが依然ダントツに強いと見ているのです。